さてさて、昨年エンジンをGCGのボールベアリングハイフロータービン仕様に変更し、慎重にナラシを行って、恐らく究極のROMチューンであろう「EcoCPU」の現物合わせをして、この度東北No.1決定戦参戦とある意味ぶっつけでレースに臨んだわけですが、

やはり極限と申しますか高負荷での走行によってはじめてわかることが多くございます。

 

今回出た症状は、アクセル全開時にブーストが上がったかと思ったら0.4辺りまで下がり、下がったかと思ったらまた上がる、上がったら下がる…というものです。
現場で短時間で対応できることは限られていますので、とりあえずはソフト上ブースト制御のキモであるソレノイドのカプラーを抜き、アクチュエーターのイニシャルで走行することを選びました。

当然ソレノイドによるアクチュエーターに我慢させる制御が使えないため、少しずつ過給をゲートから漏らしながら最高ブーストまで到達するわけですので、ブーストの立ち上がりは遅く、十分な加速は得られませんでした。
ちなみにDefiのメーター読みで0.6㌔。

純正ソレノイドの制御がおっつかないんじゃない?
ブーコンつけろ
それ見ろROM チューンの限界じゃ。フルコン導入じゃー!

果たしてそれで良いのでしょうか。
ブーコンによるブースト制御となると、ECUの燃調制御の特にフェイルセーフから切り離され、本当にヤバイ「ブーストを下げなければいけない」局面でもゲートを閉じさせ続けることになります。
またフルコンは、やもすれば今後も旧車を維持する上で必要な選択肢なのかも知れません。しかし、やはり手厚いフェイルセーフをアフターパーツのセンサーを活用し、プログラミングして構築するのに多大な時間と労力が必要となるでしょう。

うちの車はあくまで、自称「レーシングデートカー」。
ショップのデモカーでもなければ、「壊れたらまた載せ換えればいいや」という資金力もありません。
「実験」を繰り返せる使用状況では無いのです。
俺自身一般ユーザーですし、今後俺と同じような仕様で、「平成のFC3S」いわんや「令和のFC3S」を目指すみんなに、現時点での検証と今後の方策を書き留めたいと考えました。

そもそもブーストのコントロールはどのように行われているのでしょうか。
①ECUが現ブースト圧を観察している。
②ソレノイドが目標圧までアクチュエーターの動作を規制。
③目標に達しそうなところでソレノイドにアクチュエーターでゲートを開くように命令。
④どの時点で開く命令を発動するかでオーバーシュートの具合をコントロールする。
⑤上がり過ぎればゲートを開き続け、下がり過ぎればゲートを閉める、という動きをソレノイドに命令する。

とまぁ簡易的ではありますが、乗り手的には上記くらいの理解で十分でしょう。

今回の症状は、まさに⑤が後手に回ってしまうことによるもの、と考えられます。
そもそも純正タービンを大幅に超える風量を実現しながら、ポン付けであるが故、純正アクチュエーター・ウェイストゲートでのブースト制御です。排気の迂回用量が不足しますので、オーバーシュートを見越して早めにゲートを開放する必要があります。

今回の現場での対応を思い出してもらいますと、アクチュエーターまかせの運用で最大ブースト0.6。しかし、純正は0.4での設定がイニシャルです。ここでまず設定値が高すぎるため、オーバーシュート発生時にブーストを下げようとしてもゲートの開きが遅れて下がりづらい状態ということがわかります。下がらないために開け続けるため、想定より下がり過ぎると今度は閉める…を繰り返すわけです。
気体には慣性がありますので、流れを遮断するとまた流れだすまでにタイムラグが発生します。ゲートの開閉が排気の流れを不整脈にしてしまうのです。
その制御をソレノイドが迅速に行うためには気体が流れるセンサーへの、単純に「距離」が短いことが必要となります。

よって現時点でほぼ正解と思われる対策は以下の通りになります。
①アクチュエーターの設定値を純正の0.4にして、ゲートの開放をスムーズにする。
②タービンからエンジンを挟んで反対側に設置されているソレノイドを、タービン(アクチュエーター)近くへ移設する。圧力センサーのステーにサービスホールが余っているのでそちらに設置できると思われる。

配線は見合うカプラーを探しだし、カプラーオンで延長できるようにして、エンジンハーネスの切った貼ったを回避したいところです。
また、ソレノイドが排気側に近くなるため、熱害対策が必要です。
もしかすると、この加工によって純正タービンブーストアップ仕様のブースト制御のレスポンスも上がるのではないでしょうか。

この対策でふらつき症状が出なくなれば、オーバーシュートをどの辺りに持っていくのかをまた攻めることが可能になります。

また、その先にはゲートのカバーのザグり加工ということもできます。

ソフトはハードがあってのもの。
より最適な配置によって、ソフトがより生きることになるでしょう。

続きはまた。

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