ども、おれです。

人形は顔が命

芸能人は歯が命

エンジンはプラグが命(え

いや、A/Fとかオイルとか冷却水とか色々あるやろ。

まぁそうなんですが、、、プラグを見るとA/Fの状況というか燃焼温度というかそういうのがわかる風味なのですね。

ということで、「点火」についての話。

過日、草レースやってきたのですが

まぁ春先ということもあって、エンジン保護のためにHKSのDHOB

投入しておきました。

いわゆるオクタン価アップ剤ってヤツですね。
オクタン価がハイオクに入れると2、レギュラーに入れると4.5くらい上がるそうです。

え?そんなもん?

と思うじゃないですか。

でも、日本のレギュラーガソリンのオクタン価は89以上、ハイオクは96以上とされていまして、かつShellのV-powerは99.5以上とのこと。

レギュラーに入れるとハイオクまではいかないけどハイオク風味。
基準ギリギリのハイオクに入れるとV-power風味。
V-powerに入れると100を超えます。

いや、昔「レーサー100」ってCMあったんですけどね。。。。
当時の日石ハイオクは「パワーが出るハイオク」って言われてましたよ。

で、

オクタン価が高いとパワーが出る仕組みですが、ザッというと耐ノック性が高まるんですね。

ノックというのは圧縮したガソリンと空気の混合気が、高い圧縮やブーストなどで燃焼室の温度が高くてプラグが着火する前に無関係なところから火が着いちゃって、火炎伝播ではなくまさに爆発が起こり、ガス層を突き抜けて金属面に衝撃が当たって金属音が出る、というもの。

耐ノック性が高まると、これが起こりにくくなるんです。
つまり燃えにくくなる。
燃えにくくなると、より高い圧縮に耐えられるようになる。
より高いブースト、より早い点火にも耐えるようになるんですね。

より高いブーストがパワーが出るのはわかりやすいですね。
いっぱい空気が入るからいっぱい燃料入って、その分燃焼した時の膨張率が大きくなるからピストンを押し下げるトルクが増えるんですよね。

点火はとにかくどこまでも早くすればいいのでは無くて、上死点から10°~18°くらいに最大膨張圧になるように着火するのを目指していくのが点火チューンです。

チャリンコ漕ぐ時に、ペダルが真上をちょっと過ぎたあたりで蹴り下げるとグッと前に出るあの感じですね。

人間がチャリンコ漕ぐ場合は脳が司令して即つま先に最大トルクを伝達できますが、燃焼というのは時間がかかります。
火炎伝播の時間を考慮して予め着火して、最大トルクがでる角度で最大の膨張になるように調整する、というわけです。

ハァ、長い。

で、このオクタン価アップ剤で「燃えにくくする」とどうなるかというと、この火炎伝播時間が長くなるんですよ。

なので、ノーマル制御の中で単純にオクタン価アップしたところでパワーなんか出るわけない(笑)

もしノーマルでパワーが出たというなら、元がちょっと悪い燃料でちょっとノックが出てたのかも。
ノックが出ると純正ECUは点火を遅らせる制御をするのが大半なので、そうすると動的な圧縮率が下がってエンジンを保護するんですね。
つまりパワーダウンさせて保護している、と。

それがオクタン価アップによって発生しなくなって、元のパワーが出ている、というのが正しいんでしょうね。

だからノーマルで入れるのは全く意味がないわけでは無い。
むしろエンジン保護には良いかも知れません。

これがDHOB投入してレースした後のプラグ

見事なキツネ色!
というか錆かと思いました(^^;

以前走行したときにブースト高すぎて燃料薄かったので

ちょっとブーストは下げたんですけどね。
それでも瞬間オーバーシュート1.0K、7000回転まで0.8K維持しての走行です。
(ブーストコントローラー使わずにROMチューンだけだと、ピーク0.9Kで高回転で0.6Kくらいまでタレる)

高負荷時にはパワーのための燃料の他に燃焼室の温度を下げるため分の燃料も注入します。

よくパワー空燃比12.5というのがありますが、この冷却も含んでの空燃比であって、熱さえコントロールできれば14.7でもパワーが出るのです。
最近の車の希薄燃焼エンジン(リーンバーン)などでは高負荷領域をストイキの14.7で運用し、経済空燃比領域は16とか17、ものによっては20とかです。
逆にロータリーエンジンは熱を持ちやすい(燃焼効率が悪く下死点に至ってもまだ燃焼している。燃焼ムラ。)ため、パワー空燃比は10.7~11くらいとされています。

オクタン価がアップされて火炎伝播の速度が下がると、膨張時にもこの冷却用の混合気の層がしっかり機能して、金属面に混合気が触れている時間が長く、燃焼温度が下がるんですね。

こちらがDHOB混合ガソリン3/4使った後、普通に給油してフィードバック制御内で100kmほど走行後のプラグ

まだちょっと錆色だけど、薄まってますね。
やはり燃焼温度が少し高まって、白く焼ける方にシフトしているのがわかります。

ちなみに、フィードバック走行は理想空燃比14.7を維持するので、燃焼温度は高めになります。

この焼け具合ならある程度薄い燃料でも大丈夫そうですね。
(元のブーストの運用にしちゃおうかな・・・)

たった2、オクタン価がアップされるだけでこの違い。

DHOB恐るべしです。
さすがHKS。

1本約4,000円くらいで買えることが多いようなので、60Lタンクだとすると・・・・リッター67円増しか。
今ガソリン高いからなんとも言えないけど、、、(^^;
常時運用というより、高負荷かけて走る時には奮発して入れちゃう、っていう感じかな。

夏場の走行に向けて買っておこう。

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