八木高という男に出会っていなければおれはただの珍走野郎だった

どうも、自称レーサーのおれです。

ちょっとみんカラのブログを整理しようと思って、過去10年超(驚)のブログを見返しています。
ま年数ばっかりでそんなに記事数は無いけどね。

しかし昔の動画見るとヘッタクソやなぁ・・・
行き当たりばったりでイッタレ~ドライブです。
タイヤのグリップなんて感じてないんじゃなかろうか。
若さゆえの暴走。
いや10年前ってもう30超えてるジャマイカ。

そう。
おれは運転が下手なのです。

おれがよくいう「愛のお店」ですが、正式には横浜のI-feelin’(アイフィーリン)さんです。
創業は森さんというジャニーズ系のメッチャイケメンで運転がめちゃくちゃうまい人で、横浜の速いREがショップの車両置き場に入りきらないくらい集まるスゲーとこでした。
当時のことですからストリートも当然すごくやってて敵も多かったのか(笑)、森さんがすでに退いてた15年前とかでもI-feelin’のステッカーつけて高速乗ってるとまー悪そうな車にビタつけされたり幅寄せされながら抜かれるとか(笑)
昔、殺伐としすぎでしょ!

そんなお店に、おれは森さんが退くちょっと前から出入りするようになったのでした。
だから当時はお店からしたらおれなんてモブキャラですよ。
車乗り出したどこの誰かわからん若者のひとり。

たしか、事故車の黒いFCを買ってまっすぐ走らないのをフロントメンバー交換で入庫したのが始まりだった気がします。

八木さんに代表が変わってからも、お金があんまり無いおれは自分で適当な車高調組んだりしながら、自分でできなそうな作業をお願いするくらいであまりお金を落とさなかったんだけど、同い年の客同士で仲良くなったこともあってちょこちょこ顔を出すようになったんですね。

当時はクネクネ道を夜な夜な走ってて、サーキットなんて別世界って感じでした。
でも、I-feelin’主催のミニサーキットの走行会に参加したりして、ちょっとサーキットが身近になったら、「デフが欲しい!」となったんですよ。
デフってLSD。リミテッドスリップデファレンシャル。

ナラシが大事だから、とたしか3000キロくらい?何回もオイル交換して大事に走ってたんだけど、、、
「ヤリたい盛り」の若者ですよ。
よっしゃー、ナラシ終わった!山行くべ!
と、お店でデフオイル交換したその夜に出て行ったんですね。

八木さんには「車の動き変わるから気をつけてね」と結構念押しされてました。

確かに変わった!
コーナリング中にどんどん車進むじゃん!
速え~!
おれ速え~!
楽しい~!

ガシャーン。。。

廃車です。
デフのナラシが終わったその日にです。

その車をオコそうと相談しましたが、車体全体がもう歪んでしまってるし、言い方悪いかもしれないけどそこまでのコストをかけるほどの車じゃない、と。
確かにそもそも事故車だし、当時は今ほどFCって高くなかったですし。

それで八木さんが今のウチのFCを手配してくれたんですね。
純正色が黒のオールペンの白。
だから「腹黒いFCなの。」
もう10・・・何年だ?
そしてその時のデフを今もまだ使ってる。

あんまり程度の良くないオールペンだったけど、元事故車のFCと違ってシャシーはまともだしエンジンも元気。
そして何より車の手配からI-feelin’プレゼンツということで、ここからやっと常連になったような気がするんです。

事故車からのパーツの移植などもあって、足しげく電車でI-feelin’通いをしました。
それで八木さんと結構長い時間話しをするようになって、今のおれを作る決定的な言葉をもらいました。

「せいけんくんはさー、下手くそなんだからサーキットとかで腕磨いた方がいいよ。」

ガーン。

おれ下手なんだ。

そう。事故ってるクセに下手だと思ってなかったんですね。

これは結構恐ろしいことです。
世の中の皆さんは少なからず、運転はそりゃ上手いかと言われたらプロほどではないけど、少なくとも下手ではないよね。と思ってる人が多いんじゃないでしょうか。
ましてや、おれはサーキット走っていきなりそこそこタイムも悪くなかったし、テールスライドもコントロールできるし、上手だと思ってた。
けどバッサリ切られたんですね。

「おまえはヘタクソだ」

でもストンと腑に落ちたんです。

それは八木さんが間近で森さんを見ていたからなのか。
多くの速いRE乗りのお客さんを見ていたからなのか。
その「目」が信用できる。

それからおれは公道をやめました。
飛ばすことはそりゃありますよ。無いなんてウソついてもしょうがない。
でもブレーキ・コーナリングは3割くらい。
全部出すのはサーキットだけ、になりました。

とはいっても、基本的におれは八木さんの言うことをあまり聞かない(笑)
ただ自分の考えたものを八木さんにぶつけて、返ってきた言葉に背中を押してもらってる感じ。
八木さん自身も1から10までおれに言わない。
おれが出すいくつかの選択肢をポイントポイントでスッと方向づける。

森さんのI-feelin’が森さんのフィーリングを共有するお店だったとして、八木さんのI-feelin’は客のフィーリングに寄り添うお店なのかも知れない。

だからおれの八木さんへの恩返しは、八木さんの言うことを聞くことじゃなくて、八木さんの予想を超えることをして「彼(せいけん)は俺(八木さん)が育てたんだよ(ドヤ)」と言ってもらうことなんです。

八木さん、いつもありがとね。

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