0.5病というのがあるの?

またブースト制御のお話。

どうやらスバル車オーナー界隈で「0.5病」という奇病が発生しているらしい。。。
その方々で共通しているのは、ブーコンをDIYで取り付けたり、出どころの怪しい(失礼)情報で「どうもこれをすると安く速くなるらしい」、と誤った改造をしているように見えます。古い話かもしれませんので、もう解決してるのかどうかわかりませんが、原因ははっきりしてますので解説してみたいと思います。

また同じ図を提示しますが、矢印をつけてみました。
実はこの部分に内径を絞るオリフィスが仕込まれています。ソレノイドが3wayの場合や社外ブーコンには要らないのですが、ちょっと古めのターボ車はだいたい2wayのソレノイドで制御していますので、メーカー、車種問わず共通です。

このオリフィス、なぜここにあるのでしょうか?
コンプレッサーからの圧縮空気がソレノイドとアクチュエーターへ向かっているのがわかりますよね。ずばり、ここに入る空気の量を制限しているのです。

なぜ制限するのでしょう。
それは圧縮空気でアクチュエーターを押してしまうから!

オリフィスを抜いてしまうと、過給を立ち上げてるそばからゲートを開けて排気を逃がしてしまうため、タービンに排気が当たらず過給の仕事ができないのです。アクチュエーターのイニシャル設定圧は車種ごとに違うのでしょうが、おそらくメーター読みで0.5付近になる辺りに設定されているのでしょう。これが「0.5病」、立ち上がりも緩やかで最大ブーストも低い、ということの原因です。

気体など流体は易きに流れるもので、より楽に行ける方の道を選びます。経路のサイズならより大きい穴を通りますし、圧力の高低ならより圧力の低い方へ進みます。
設定ブースト圧までは、オリフィスがいることで基本的にソレノイドとアクチュエーター側にはあまり空気が行かないようにしてあり、多少入ってくる空気もソレノイドが開いているのでエアフロ~コンプレッサーの間に戻される方が、アクチュエーターへ向かうより優先されます。
アクチュエーターはある意味行き止まりですので。
設定ブースト圧に到達してソレノイドを閉じるとアクチュエーター側にしか行けなくなり、はじめてアクチュエーターを押すことでゲートを開きます。こうすることで素早い過給の立ち上がりを実現しているのです。

0.5病を患っている方。
配管の見直しをしてみてはいかがでしょうか。
とりあえずは、まずしっかり純正状態に戻してトラブルシューティングすることをおすすめいたします。

ノーマルで何もしていない場合は故障です(笑)
まずは給気経路の配管抜けや破れ、ICの穴あき、アクチュエーターのイニシャル圧低下、排気漏れなどの確認ですね。
フェイルセーフやソレノイドの異常ならダイアグに残ってるはずなのでそちらも確認するとトラブルシューティング早いでしょう。

ではまた。

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