車輌操術研究家のせいけんです

重心軸ドライビング解説コーナーへようこそ
重心軸ドライビングと言われてもなんのことやらわかりませんよね

巷では、荷重移動を起こしてフロントタイヤのグリップを増やしてコーナリングする、といった言説が広く知れ渡っています
しかし、このせいけんの提唱する重心軸ドライビングでは、とりあえずそういうのは脇に置いといて自動車の重心を中心に旋回させるのが理に適ってるよね、という至極当たり前のところを起点としたドライビング認知/方法論を展開させていただきます

そもそも、著者のせいけんはどんな者かという話をしましょう

1990年代後半、当時はいわゆる走り屋という属性の人たちがまだまだ多く生息しておりましたが、国家権力が「気をつけて帰れよー」と言って帰してくれるような牧歌的な時代の終焉を迎えつつあるときでした

そんな時代に、自分は天才だと思って無茶な運転をする青年がせいけんでした
自称天才のくせに割と立て続けに車を何台も全損させるという、今考えると大変迷惑な話です

貧乏なくせに車を壊してヒィヒィしている自分に、当時お世話になっていたチューニングショップの店長さんが「キミは下手くそなんだからサーキットで腕を磨きなさい」とアドバイスをくださりサーキットでのスポーツ走行というものをはじめることになるわけです

それから20余年、数々の草レースを経験し、12時間耐久レースというチーム力を試されるジャンルにおいての優勝も経験させてもらえたり、参戦を誘ってもらえるようなドライバーとなりました

自信過剰からの挫折、そこからの成長という経験から、自動車の運転が上手になりたい、もっと自動車を理解したいという欲求は延々と途切れることなく続いています
そうとはいえ、アマチュアゆえレースの練習をするにもお金も時間も足りませんから、そのような状況を打開するためにレーシングシミュレーターを使用した仮想現実による練習を模索しはじめます

色々なシミュレーションソフトを試しました
その中で最も確からしく、現実のレースで実際の成果が出たのはrFactor2だけでした
そして2022年10月1日よりrFactor2で練習とドライビング研究の模様を流すYOUTUBE配信を開始しました

他のシミュレータでは、走行予定のサーキットデータと搭乗する車両に近似する車のデータを用意してひたすら走行を重ねても、ドライビングそのものの質の向上は思うようになされず、コースを覚える以上の成果が出ませんでした
多少のテクニックの向上はあったのかも知れませんが、本質的なドライビングのキモや基礎体力のようなものが成長している実感がありませんでした
あくまで既知の自分が見えてる世界の中だけで重箱の隅をつつくようなものになり、より上手な「天才」と言われるような人々には近づけないといった感覚でした

しかし、rFactor2では全く別のサーキットや車両を用いてもドライビングの質そのものが向上していくことで結果に結びついていきます
現実での練習走行と同じかそれ以上の体験でした

それは単に走行の量という側面もあるかも知れませんし、金銭面や安全性などのリスクを最小限にできることなのかも知れません
しかしそれ以上に重要だったことに気づかされるのが、車両重心の認識とそこを軸に旋回させる意識でした

当初は現実で意識せずとも受ける縦・横のGを想像の中で意識することでシミュレータでも現実のように運転できることを目指したものでした
それがむしろ逆に、現実にシミュレータの意識を持ち込むことでGへの受け身の姿勢から積極的にGを制御するといったドライビングに昇華されたのです

世の中の天才的なドライビングをする人たちは、幼少期からであったり免許を取ってすぐその才能を発揮しています

彼らは果たしてそんな若くして自動車の仕組みを完全に理解していたのでしょうか
荷重によるタイヤの挙動変化を知っていたのでしょうか

決してそんなことは無かったはずです
そういった学術的な理論は自身のドライビングを解析して理解するための後づけであったはずです

そしてそんな彼らがはじめから理解していたことは、乗り物が止まったり曲がったり走ったりする上で意識すると都合が良いポイントがあるという、より身体に近い感覚だったはずです
転びまくっていた自転車がある日急に乗れるようになったように!

まさにそこが目指すところ
天才が生まれながらに持つその感覚を凡人の手でも届くところに引きずり出す

それが重心軸ドライビングです
そしてこれが現実と仮想現実をシームレスに相互に連携させるための最も適した方法論です

重心軸ドライビングがそのような自分自身の体感から思う結果を導き出せる道標となると確信しています

車輌操術研究家 せいけん

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